パニックの多い息子のために作った自閉症グッズが「グッドデザイン賞」を受賞

ニュースリリース
報道関係各位

2016年9月29日
株式会社古林療育技術研究所

パニックが多かった自閉症の息子のために作った支援グッズ
「コバリテ」が「2016年度 グッドデザイン賞」を受賞!
〜 混乱の毎日から、親子が笑顔で過ごせる毎日へ 〜

株式会社古林療育技術研究所(所在地:神奈川県横浜市青葉区、代表取締役社長:古林紀哉、設立:2015年11月)が開発した自閉症の子どもの生活を助けるグッズ「コバリテ視覚支援スタートキット」が、9月29日に2016年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

社長、古林が自閉症の息子を療育した経験から、他の家庭でも子どものパニックや混乱をなくして欲しいという想いで開発し、手先が不器用な自閉症の子どもでも絵カードが簡単に使えてかつご家族がオリジナルの絵カードを簡単に作れる工夫を積みかさねて作った「見て動かすスケジュール表」グッズです。

自閉症の息子との生活の中から生まれた使いやすさと作りやすさの工夫、デザイナーの斉藤が考案した画期的な構造、生活シーンに調和するデザインへの取り組み、が高く評価されました。

当社は今後も、自閉症の子どもとそのご家族がパニックや混乱のない過ごしやすい暮らしができることを願って、絵カードとスケジュール表を使った生活支援の普及に努力していきます。

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自閉症 カレンダー スケジュール 絵カード コバリテ autism calendar schedule board

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●コバリテ視覚支援スタートキットが生まれるまで
自閉症の息子は欲しいものを待つことができませんでした。ダメと言い聞かせるとパニックを起こし家庭はグチャグチャです。ところが自閉症の専門家もすすめる、絵カードとスケジュール表を家庭で使うことで、息子のパニックは激減しました。それ以来、息子は月に1回のおもちゃ屋の日を楽しみに待っています。

その陰で、私と妻は休日や夜に絵カードを作り続けてきました。もう、数千枚を超えていると思います。自閉症の子ども用の絵カード作りは、ラミネーターとマジックテープが必要な手間のかかる作業です。

私は何年も、簡単に作れる絵カードを模索していました。そんな折にデザイナーの斉藤と出会い、彼がカードフォルダーを試作してくれました。それは、手先が不器用な自閉症の子どもも簡単に使えて、家族も作り替えが楽な、画期的な絵カードでした。そして会社を設立し製品化したのがコバリテです。

●自閉症の子どもが向き合う困難とその解決方法としてのスケジュール表の役割
自閉症の子どもは頭の中で優先順位をつけることが苦手です。そのため、やっていることを中断されたり注意されたりすると混乱してパニックや癇癪を起こします。欲しいものが手に入らないと泣きわめくこともあります。

スケジュール表を使うと、子どもは不安や混乱なく過ごせ、パニックや癇癪がなくなることが知られています。この手法は「スケジュールと視覚支援」と呼ばれ、自閉症の専門家もすすめる実績のある手法です。

しかし、絵カードは自作しか方法がなく、「見て動かすスケジュール表」の普及が進んでいません。

製品名称:コバリテ視覚支援スタートキット

製品概要:ご家庭で、絵カードとスケジュール表やカレンダーを用いた自閉症の子どもの療育を始めるためのオールインワン製品。手先が不器用な子どもも簡単に使える新技術カードフォルダーが特徴。

デザイナー:斉藤里司

デザイナーの想い:自閉症のお子さんが自分では伝えにくい要求や、ご家庭での様々な問題をデザインの力で解決し、お子さんとご家族に貢献していきたい。

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント:使われる状況がよく検証された上で企画された商品であり、今後のさらなる発展が期待できる。製品細部のデザイン表現においてはまだ改良の余地があるものの、取り組みの視点が高く評価された。

グッドデザイン賞ウェブサイトでの紹介ページ
http://www.g-mark.org/award/describe/43474

当社ウェブサイトでの紹介ページ
https://www.kobarite.co.jp/product/kobarite


g2016logo_dグッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。これまで60年にわたり、のべ受賞件数は45,000件以上にのぼります。「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルとして広く親しまれています。
(公益財団法人日本デザイン振興会 http://www.g-mark.org/ より抜粋)

ceo2016古林紀哉の略歴
三男に自閉症の子どもを持つ父親。
岡山県倉敷市出身。大阪大学卒業、同大学院修了。博士(工学)。
日本電気、野村総合研究所を経て独立起業。


※息子が実際に使っている様子の撮影も可能です。本件に関するより詳しい内容をご希望でしたら、当社ではマスコミの方の取材のお申し込みを随時受け付けておりますので、是非お問い合わせ下さい。
自閉症 カレンダー スケジュール 視覚支援 絵カード

このプレスリリースに関するお問い合わせ先

株式会社古林療育技術研究所 担当:古林
TEL: 045-903-0885
E-mail: info@kobarite.co.jp

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